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エタノール製剤とは

一般に栄養分が豊富な食品は、細菌、カビ、酵母といった微生物が増殖して腐敗しやすく、保存性を向上させるためには微生物の増殖を抑制することが必要です。
 微生物の増殖抑制には古くからエタノールが利用されてきました。食品の保存性向上のために開発されたものがエタノール製剤です。エタノール製剤はエタノールを主成分とし食品添加物を配合しています。

エタノール製剤の使い方

問題となる微生物の主たる汚染源を確認しエタノール製剤の種類と使い方を決めます。

・直接添加する場合

目的 バクテリア、カビ(酵母)の発育抑制
対象 液状食品、ペースト食品、固形食品
注意 エタノールの揮散、食味、物性
使用濃度 通常アルコール分として1~3%添加
食品への表示方法 「酒精」または「エタノール」

・噴霧する場合

目的 包装前の二次汚染防止のために食品ライン、製造設備に。また従業員の手指からくる汚染防止
対象 一般的には固形食品の表面、機械器具、作業者の手指
注意 付着量が部分的に偏ったり、多すぎたりすると、香味や味を変化させてしまうことがあります。包材のピンホールや破れ、アルコールの透過性にも注意が必要です。その他スライサーの刃は、摩擦熱により、微生物にとって適切な温度状態となり、微生物が急激に増殖する恐れがあります。また、噴霧する器材の腐蝕及び室内換気に注意してください。
使用濃度 通常アルコール分として0.5~1%噴霧
食品への表示方法 「酒精」または「エタノール」
ただし、最終食品への残存量が微量であれば、加工助剤とみなされる場合があり、これらの表示が不要になることもあります。

・浸漬する場合

目的 表面の二次汚染防止
対象 固形食品、機械器具
注意 作用温度、容器の腐蝕に注意してください。浸漬を繰り返している間にエタノール濃度、pHなどの変化が生じますので、これらの点に注意し、時々、エタノールを補う必要があります。(時には浸漬液中の微生物数が増大し、浸漬することによってかえって微生物の付着をともなう場合があり、また、浸漬液の成分、浸漬時間などにより食品の風味、香味、物性に変化が生じることもありますので、特に注意する必要があります)
使用濃度 5℃以上の場合、pH及び温度依存性のない75v/v%以上のエタノールに数秒間浸漬
5℃以下の場合、静菌性物質を含んだ60v/v%以上のエタノールに浸漬(浸漬時間、浸漬槽に注意)
食品への表示方法 「酒精」または「エタノール」

エタノール製剤の取り扱い方

アルコール分60w/w%(67v/v%)以上のものは消防法に定める危険物の第四類「アルコール類」に該当します。
アルコールの指定数量は400Lです。400L以上使用、貯蔵する場合は、所定の届出を行い、消防法に定める貯蔵所または取扱所にて、貯蔵、使用しなければなりません。400L未満の場合でも市町村条例にしたがい、少量危険物としての届出及び貯蔵、取り扱いが必要です。貯蔵、取り扱いについての一般的注意事項は以下の通りです。

  • エタノール製剤は可燃性ですので火気や火花に近づけないでください。
  • エタノール製剤の近くには燃えやすいものを置かないでください。
  • エタノール製剤は冷暗所または風通しのよいところに保管してください。
  • 使用した残りのエタノール製剤はしっかり容器の栓をしてください。
  • エタノール製剤がもし容器から漏れることがあれば、直ちに他の容器に移し替えてください。
    ※なお、危険物に該当する製品には下記の表示がしてあります。
引火性

エタノール製剤の安全性について

エタノールは、適量を希釈して飲料とした場合は、食欲を刺激し胃液の分泌を促進して食物の吸収を助けます。しかし、強度のエタノールを繰り返し飲用すると胃の粘膜を刺激し、過度に用いた場合は呼吸中枢を麻痺し、特に神経系に害を及ぼすことがあります。
工業的には比較的無害の溶剤とみなされています。
エタノールの蒸気を吸入した場合、主として麻酔剤として働きます。エタノールの蒸気に繰り返しさらされた場合、粘膜(目、咽頭、気管支)への刺激、頭痛、身震い、眠気、吐き気、食欲不振などを起こすという報告もあります。
作業中にエタノール製剤を噴霧使用する場合は、充分換気するよう、また設備は防爆型にしてください。

血液中のエタノール濃度と中毒症状の関係

血中濃度(%) 中毒症状
0.05 抑制中枢が麻痺し判断力を損なう
0.1 運動神経と知覚神経が麻痺する
0.2 全運動神経がかく乱される
0.37 脳の中枢が麻痺し知覚麻痺が起こる
0.4~0.5 脳の全知覚領域が浸され昏睡状態になる
0.6~0.7 呼吸中枢及び心臓中枢が麻痺して死亡する

引用:アルコールハンドブック

吸入したアルコール蒸気中のエタノール濃度と生体に及ぼす影響

濃度 影響 備考
(mg/l) (ppm)
2.6 1380 28分まで影響なし、33分後頭痛、30分後軽い昏迷状態 アルコール非常用者
4.3 2300 初め頭に温感、酔感、四肢に冷感、鼻に刺激臭、50分後眠気、前額に圧迫感 同上
9.4 5000 20分後頭痛増大 アルコール常用者
11.3 6000 不快臭、時々軽い眠気 同上
13.2 7000 不快臭、30分後熱感、目に圧迫感、90分後疲労感、強度の眠気 同上
16.7 8000 初め耐えられない臭気、間もなく耐えうるようになる
目に灼熱感、前額・耳に熱感増、30分後疲労感、強度の眠気
アルコール非常用者

エタノール製剤

   
製品名 アルコール
度数
特徴 pH 内容組成
フォルテクター 75度 あらゆる用途に使いやすい汎用タイプです。
エタノール特有の臭いや味、金属に対する腐食性を改善した製剤です。
5.0~9.0 エタノール
シクロデキストリン
還元麦芽糖水飴
フォルテクターⅡ 67度
75度
88度
サラッとした使用感で、刺激臭を軽減したエタノール製剤です。金属に対する腐食性を充分に改善してあります。 67度:7.7~9.2
75度:8.0~9.5
88度:7.9~9.9
エタノール
DL-リンゴ酸ナトリウム
還元麦芽糖水飴
フォルテクターⅡ
ハンディー
75度 「フォルテクターⅡ」のハンドスプレータイプで手軽に除菌できます。 8.0~9.5 エタノール
DL-リンゴ酸ナトリウム
還元麦芽糖水飴
フォルテクターネオ 67度
75度
88度
トレハロースを配合し、食品への噴霧、練り込み、浸漬と幅広い用途で使用可能です。特に食品への味覚に影響のない製剤です。 7.0~9.5 エタノール
乳酸ナトリウム
トレハロース
ハイネトレス9号 75度 エタノール製剤のスタンダード品。
衛生管理から食品の保存まで幅広く使える標準タイプです。
4.4~5.0 エタノール
グリシン
DL-リンゴ酸
ハイネトレスK-SD 73度 食品の腐敗・酸敗・湧き対策に有効な製剤です。
グリシン配合
4.2~5.4 エタノール
グリセリン
グリセリン脂肪酸エステル
グリシン
DL-リンゴ酸
ハイネトレス
サファメールⅡ
88度 エタノール濃度が高く、希釈しても広範囲に除菌効果を有します。
グリセリンエステル配合
5.2~6.4 エタノール
乳酸
グリセリン脂肪酸エステル
乳酸ナトリウム
ハイネトレスG 75度 食品の腐敗・酸敗・湧き対策に有効な製剤です。
酢酸配合
5.8~7.0 エタノール
グリセリン脂肪酸エステル
グリセリン
酢酸
酢酸ナトリウム
ハイネトレス
センライト
58度 生麺・皮類(餃子・ワンタン・春巻きなど)に、練り込みで使用します。保湿性に優れているので食品の乾きを遅らせ、しなやかさを保ちます。アルコール臭が軽減されています。 7.3~8.9 エタノール
シクロデキストリン
グリセリン脂肪酸エステル
水飴
センライトTKⅡ 45度 生地に練り込むことによって、低濃度品でありながら75度品と同等の効果が得られるエタノール製剤です。 3.0~4.0 エタノール
乳酸
グリセリン
グリシン
グリセリン脂肪酸エステル
グループ45 45度 生地に練り込むことによって、静菌効果と、保湿性の向上により渇きが遅いのが特徴です。食品の生地の物性改善効果もあり、生麺に使用した場合、保湿効果はもちろん麺特有のしなやかさとコシを失いません。 5.4~8.4 エタノール
シクロデキストリン
グリシン
水飴
ハイネトレス
ギャザコール
59度 食肉製品全般・水産関係製品の使用に適した製剤です。 4.4~5.6 エタノール
乳酸
乳酸ナトリウム
グリセリン脂肪酸エステル
ギャザコールCS 58度 食品に付着した細菌の除菌、また水分を多く含んだ「まな板」などの厨房器具に優れた除菌効果を得られるように開発された製剤です。 3.7~5.7 エタノール
乳酸
グリセリン脂肪酸エステル
乳酸ナトリウム
グリセリン
ギャザコールL 58度 ポリリジンを含有させることにより、エタノールとの相乗効果が期待できます。 6.0~8.0 エタノール
ポリリジン
グリセリン脂肪酸エステル
グルコン酸
ギャザコールS 54度 非危険物のエタノール製剤で、70%濃度のエタノール製剤と同等の除菌効果を持ちながら経済性も追求した製剤です。 3.5~5.5 エタノール
グリセリン脂肪酸エステル
乳酸
乳酸ナトリウム
ギャザコールNF 67度 非危険物濃度の製剤で、かつ中性領域の製剤でありながら、優れた除菌効果を持つので、幅広い用途に使用できます。 5.8~7.1 エタノール
グリセリン脂肪酸エステル
クエン酸ナトリウム
乳酸
エトロング 67度
75度
88度
冷凍用のブラインとして利用できます。冷凍下でも沈殿ができず、さらに除菌効果も期待できます。エトロング88は主に補充・濃度調整用です。 67度:4.0~5.2
75度:4.7~5.9
88度:4.9~6.1
エタノール
乳酸
乳酸ナトリウム
アストリック 67度
73度
85度
あらゆる用途に使いやすいタイプです。噴霧したときダマにならず、一様にぬれ広がりますので機械器具などへの噴霧での使用に最適です。 7.0~9.5 エタノール
乳酸ナトリウム
グリセリン脂肪酸エステル
ミナコースS 76度 化粧品の基剤としても使用されるグリセリン、乳酸ナトリウムを配合した保湿性を向上させたエタノール製剤です。 7.4~9.1 エタノール
グリセリン
乳酸ナトリウム
ラトナール 67度
73度
酸性度が強いので、広範囲で強力な除菌効果があり、希釈してもなお、すばらしい除菌効果を発揮する製剤です。 67度:3.4~4.6
73度:3.7~4.9
エタノール
乳酸
グリセリン脂肪酸エステル
乳酸ナトリウム
ラトナールMS 75度 弱酸性で、75度のエタノール製剤です。練り込み、噴霧、浸漬と使用用途が広く使いやすい製品です。 4.6~5.6 エタノール
乳酸
グリセリン脂肪酸エステル
乳酸ナトリウム
ラトナールV63 63度 独自の配合によりウイルス対策用に開発されたエタノール製剤です。厨房や調理器具、施設のあらゆる場所で幅広く活躍できます。 3.2~4.2 エタノール
乳酸
クエン酸
乳酸ナトリウム
グリセリン
グリセリン脂肪酸エステル
香料
ラトナールF50 58度 低濃度のエタノール製剤でありながら、副剤との相乗効果により、一般のエタノール製剤では除菌しにくい菌にも、優れた効果を発揮します。 3.5~5.5 エタノール
乳酸
グリセリン脂肪酸エステル
DL-リンゴ酸
乳酸ナトリウム
香料
ラトナールW54 54度 低濃度のエタノール製剤でありながら、副剤との相乗効果により75度品と同等の優れた除菌効果を発揮します。 3.4~4.4 エタノール
グリセリン脂肪酸エステル
グリセリン
乳酸
DL-リンゴ酸
DL-リンゴ酸ナトリウム
香料

危険…危険物

剥離・離型剤

製品名 アルコール
度数
特徴 内容組成
ラクハート 47度
77度
85度
除菌効果もある剥離・離型剤です。食品のこびりつきを防止するので、食品の型崩れ防止、製造ラインの汚れ付着を防止し、作業後の洗浄も簡単になります。(第四類第一石油類) エタノール
食用油脂
ラクハートSN 83度 ちくわ用の芯棒に塗布する事により棒から抜けやすくなり、製品の変形が少なくなります。 エタノール
ソルビタン脂肪酸エステル
グリセリン
ラクハートR 24度 はりつきやすい食品、特に餅の離型剤として開発された製品です。機械・器具に噴霧することで作業性が格段に向上します。(第四類第一石油類) 食用油脂
グリセリン脂肪酸エステル
エタノール

危険…危険物

※ラクハート類を塗布又は噴霧することで対象物が色あせ、腐食する場合があります。
スチレン系樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂などと接触しますとひび割れ、破損、変色する場合があります。

日持向上剤

製品名 特徴 内容組成
ケネット 微生物による湧き・ガス膨張を抑える製剤です。 (液体・第四類第二石油類) エタノール
グリセリン脂肪酸エステル
グリセリン

危険…危険物

乳化剤製剤

製品名 特徴 内容組成
ケネットS1 製菓製パン特に生和菓子、洋菓子製品の品質向上に効果があり、適度にしっとり感を生み出します。(液体・第四類第二石油類) グリセリン脂肪酸エステル
エタノール
グリセリン

危険…危険物

果実用品質保持剤

製品名 特徴 内容組成
グループB イチゴの自然な色と艶を維持し、カビの発生を抑制します。その他ブルーベリーやラズベリーなど他のフルーツにも使用できます。(液体) エタノール
トレハロース
ペクチン

食品品質改良剤

製品名 特徴 内容組成
ピアコリン10 食肉や魚介を浸漬することにより食品原料の食感を改善します。(液体) 炭酸カリウム
乳酸ナトリウム
炭酸ナトリウム
エタノール

Q&A

Q1.コロナウイルス・インフルエンザウイルスには効果がありますか?
一般的に消毒用アルコール(エタノール濃度76.9vol%から81.4vol%)はこれらのウイルスに効果があるといわれています。なお、弊社のエタノール製剤は食品添加物ですので、ウイルスの殺菌に関するデータはございません。
Q2.手に使用して大丈夫ですか?
弊社の製品は食品添加物*です。医薬品(殺菌剤・消毒剤)ではないので手指の消毒に使用することを目的としたものではありません。 ただし、エタノール製剤はエタノールと食品添加物・食品原料で構成されており、手に付着しても問題ありません。
*食品添加物エタノール製剤は調理器具や作業台の除菌、または、食品に添加・噴霧することによる日持ち向上目的で使用いただけます。
Q3.ノロウイルスには効果がありますか?
一般論になりますが、ノロウイルスにはアルコールは効果が無いといわれていましたが、酸性(あるいはアルカリ性)にしたアルコールのノロウイルスへの効果は厚生労働省にて認められております。弊社のエタノール製剤で酸性の製品もございますが、同ウイルスに関しては効果を保証するデータはございません。
Q4.医薬品や医薬部外品との成分の違いは?
人の手指の消毒を目的とした医薬品または医薬部外品は殺菌効果が高く、配合することが認められている「塩化ベンザルコニウム」(石鹸・コンタクトレンズの防腐剤などに使われている消毒剤)を配合した手指消毒剤やエタノールを定められた濃度に薄めた消毒用エタノール等があります。弊社の食品添加物製品はエタノールを主体とし、その他食品及び食品添加物でできています。
Q5.危険物とありますが、取り扱いの注意事項はありますか?
60重量%以上のエタノール濃度の製剤は指定数量の1/5以上(80L)を同一の場所に保管する場合、所轄の消防署の許可を得なければなりません。一般的な使用量であれば数量オーバーをする心配はありません。また、エタノール製剤には保管数量に関係のない非危険物の製剤もあります。
Q6.布に染み込ませて使用しても大丈夫ですか?
問題ありません。使用後は水などでよくすすいでください。
Q7.テーブルを拭く時に使用しても大丈夫ですか?
木製のテーブルの場合、塗装やニスがはがれる可能性があります。使用前に目立たないところで試してみてください。
Q8.使用してはいけない素材・注意が必要な素材はなにかありますか?
水場などの濡れた場所では効果が弱くなります。無垢の木材に使用すると、中に染み込み割れや反りの原因になることがあります。染色された布類に使用すると脱色する可能性があります。
Q9.市販のスプレー容器は使用できますか?
高密度ポリエチレン(HDPE)製の容器であれば問題なく使用できます。ただし、容器を移し替えた場合、メーカーの保証対象外となりますのでご注意ください。